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不動産を売却する際は、「仲介」が一般的ですが、実はもう一つの方法として「不動産買取」があります。この2つの方法では、売却プロセスや手元に残る金額が大きく異なります。ご自身の状況に最適な方法を選ぶために、それぞれのメリットとデメリットをしっかり理解しておくことが重要です。

このコラムでは、不動産買取の仕組みと仲介との違い、そして「どんな時に買取を選択すべきか」について具体的に解説します。

1. 不動産買取とは？仲介との違い

不動産買取は、不動産会社がお客様の物件を直接買い取る方法です。売主と不動産会社が直接取引するため、仲介会社は存在しません。

一方、仲介は、不動産会社が「仲介役」として購入希望者を探し、売買契約を成立させます。買主が見つかるまで時間がかかったり、売却が不確実だったりする点が買取との大きな違いです。

2. 不動産買取の4つのメリット

不動産買取には、仲介にはない明確な利点が多数あります。

即金性が高い・スピーディーに売却できる

最大のメリットは、現金化までのスピードです。仲介と違い買主を探す期間がないため、最短で数日〜数週間で現金を受け取ることが可能です。急な資金調達が必要な場合や、住み替えのスケジュールがタイトな場合に有効です。

仲介手数料が不要

仲介の場合、売却成立時に仲介会社へ成功報酬として手数料を支払う必要がありますが、買取では仲介会社が介在しないため、この高額な手数料を支払う必要がありません。

内覧や売却活動が不要

仲介では、購入希望者が見つかるたびに内覧対応の手間がかかります。また、広告掲載などの売却活動も行われます。買取なら、不動産会社が直接買い取るため、これらの手間が一切かかりません。周囲に知られずに売却を進めたい方にも適しています。

契約不適合責任を負うリスクがない

売却後に物件の隠れた不具合（雨漏りなど）が見つかると、売主が「契約不適合責任」を問われる可能性があります。買取では、買主が不動産のプロであるため、この責任を負わない特約を設けることが多く、売却後のトラブルを回避できます。

3. 不動産買取の2つのデメリット

多くのメリットがある一方で、デメリットも理解しておくことが大切です。

売却価格が安くなる可能性が高い

最大のデメリットは、売却価格が仲介よりも安くなることです。一般的に、市場価格の60%〜80%程度と言われています。これは、不動産会社が買い取った物件を再販するために、リフォーム費用や販売経費、利益を考慮する必要があるためです。

すべての物件が買取の対象になるわけではない

不動産会社は、再販して利益が出る見込みのある物件しか買い取りません。そのため、立地条件が悪い物件や、築年数が古い物件、再建築不可などの特殊な物件は、買取を断られる可能性があります。

4. どんな時に不動産買取を選ぶべきか？

これらのメリット・デメリットを踏まえると、不動産買取は以下のような状況で特に有効な選択肢となります。

• できるだけ早く現金化したい時（急な転勤、相続など）
• 内覧対応や売却活動に手間をかけたくない時
• 仲介でなかなか売れない時（築年数が古い、劣化が激しいなど）
• 売却を周囲に知られたくない時
• 売却後のトラブルを避けたい時

まとめ：賢い選択が売却成功の鍵

不動産売却を成功させるには、ご自身の状況と、仲介・買取それぞれの特性を理解し、賢く選択することが大切です。

「とにかく高く売りたい」のであれば、仲介を選んでじっくり買主を探すのが良いでしょう。一方、「多少安くても早く確実に売りたい」「手間やリスクを避けたい」という場合は、不動産買取が最適な方法と言えます。

まずは不動産会社に相談し、仲介と買取の価格を両方提示してもらうことで、ご自身の状況に合った最適な方法を見つけましょう。